傘寿迎えてまだまだこれから 創作ネタは320超「500目指そうかな」 話の肖像画 落語家・桂文枝<1>

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《大阪生まれのおじん記者(還暦過ぎ!)にとってこのヒトは少年時代のアイドルだった。とにかくテレビやラジオで顔や声を見ない(聞かない)日はない。スマートでカッ…

《大阪生まれのおじん記者(還暦過ぎ!)にとってこのヒトは少年時代のアイドルだった。とにかくテレビやラジオで顔や声を見ない(聞かない)日はない。スマートでカッコいいし、何より従来の「お笑い」とはセンスが違ったから…。浮き沈みが激しい芸能界の第一線で活躍し続けて約60年》

従来の「お笑い」と違っていたのは、その通りかもしれません。と言うのも、入門間もない僕は古典落語はもちろん小咄(こばなし)もできなかった。仕方なく大学(関西大学)時代に軽音楽部のステージやダンスパーティーの司会をやったり、テレビの「素人(しろうと)名人会」(毎日放送)にしょっちゅう出演して演(や)ってたりした漫談のネタそのままの調子でしゃべっていたんです。それが(ラジオを聴く若者たちに)フィットしたんですねぇ。《昨年7月、80歳になった。「傘寿(さんじゅ)記念」と題した落語会を全国各地で開催中だ》 最初は、(メディアで売れて)落語を勉強する時間がなかなか取れなかったんです。「もう落語はやめて司会の仕事に絞ったら」とアドバイスしてくれる人もいて、随分悩んだのですけど、「落語がでけへんからそっち(司会)に行った」って思われるのがしゃくでねぇ。落語でも名を残したいと発奮していろんな師匠方に習いに行くようになったんです。

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