原材料高騰分を価格転嫁できない中小化学メーカー
「融資先の中小化学メーカーは、原材料価格が上昇しても大手の取引先に価格転嫁させてもらえない。利益が減り、資金繰りは逼迫している。ゼロゼロ融資も終了し、追加融資はできないので、耐えてもらうしかない」――。ロシアのウクライナ侵攻による原材料高と加速する円安。化学業界は、工業製品向けから衣料品やプラスチックなどの日用品まで裾野が広く、影響は多岐にわたる。冒頭のように原材料高騰への対応に悩まされるのは中小メーカーだけでなく、大手も同様だ。 例えば日用品大手のライオンは、事業ポートフォリオの転換に取り掛かった。掬川正純社長は、原材料価格の影響を受けやすいのは、洗剤や柔軟剤、食器洗い洗剤などだと明かし、「（原材料費の構成比率が低い）医薬品やオーラル（口腔）ケアなどの分野にポートフォリオをシフトさせる」と意気込む。
原材料高という“荒波”に襲われる化学業界。ダイヤモンド編集部が化学関連業界の倒産危険度を検証したところ、20社が“危険水域”と判定された。3位には、総合化学大手の昭和電工がランクインした。化学業界の“倒産予備軍”はどの企業か。
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