「(観客が映画を)見ているうちに、役所広司が陶芸家を演じていることを忘れてもらえたらいいなと思った」と撮影を振り返る役所広司=東京都内(撮影・入江明廣)
心に屈折を抱え、自分を慕う学の思いにも素直に応えられない誠治。そのキャラクターについて、役所は「自分にとって一番大切なもの(息子)にすら、ちゃんと接することができない。そんな誠治がいろいろな事件に巻き込まれていくうちに、陶芸よりも自分が何か役立つことがあるのではないかと思い始める」と語る。 撮影に当たっては、監督の知人で沖縄に住むニュージーランド人の陶芸家の工房を訪ねて、そのたたずまいを役作りに反映させた。実際に土をこねたり、形作ったりするうちに、「どんどん良いものを作りたい気持ちになった」そうで、「窯で焼いて出来上がるまでは(作品が)どんな感じになるか分からない。そこは映画に似ているかもしれない」と思いを巡らせる。仲代達矢の舞台を見たことをきっかけに俳優を志した役所。NHK大河ドラマ「徳川家康」(1983年)の織田信長役などで注目され、映画の世界では伊丹十三監督の「タンポポ」(85年)の白ずくめの男役で印象を残した。その後は周防正行、森田芳光、今村昌平、市川崑、黒沢清、是枝裕和、西川美和といった、そうそうたる名匠と出会い、仕事を共にしてきた。
当時はドラマも映画も「テンポアップ」重視で、せりふを速くしゃべることが求められたというが、小栗監督の指示は「間(ま)はいくら取ってもいい」。一日に撮るのは1、2カットで、「『普段の3倍ぐらいかけて(演じて)くれ』と言われた時は、『どうしたらいいだろう?』と悩みました」。しかし、長く間を取る演技を繰り返すうちに、「しゃべっていない時のストーリーを自分で考えるようになった」などと振り返る。
まぁ見たけど深さは無かったかな⁉️あまり怒りを感じなかった⁉️
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