4月からの時間外労働の上限規制導入によってトラック運転手不足が深刻化する「2024年問題」。法施行から5年の猶予期間があったが、問題の根底にある「長時間の荷待ちや荷役作業」や「低賃金」などの改善に向けた取り組みは道半ばだ。荷主優位の業界構造の見直しなど課題は山積している。東京都江東区にあるSGホールディングスの物流センター「Xフロンティア」。荷物を積んだ佐川急便のトラックが到着すると、後方のコンテナ部分から足が降り、車体が前進して切り離す。車体は次に別のコンテナ下に潜り込んで装着を完了すると、再び走り出した。
この間、15分ほど。佐川急便のトラックは荷物を手作業で積み降ろしする「手積み」方式なので本来は2、3時間かかるが、このスワップボディ車両を使えば、運転手は荷役の重労働がなくなり「女性運転手の活躍も期待できる」(担当者)。全国で走っているのは280台で、今後は年25台ずつ増やす。物流の現場では、2024年問題を見据えた効率化の取り組みが着々と進む。1月下旬、国土交通省はヤマト運輸と王子マテリアの2社に貨物自動車運送事業法に基づく「勧告」を初めて行った。下請けへの過積載での運行指示、長時間の荷待ち、運賃の不当な据え置きなど法令違反につながる行為が見つかった。「ヤマトですら末端まで浸透できていない」とトラックGメンは指摘する。
「そもそもの構造を変えないと直らない」。ヤマト側はこう語る。物流業界は荷物を依頼する荷主の力が圧倒的に強い。業界最大手でも荷主に厳しい条件を突き付けられたら苦しく、下請けに負担を強いてしまう業界の悪習を露呈した。同社は今後、幹線輸送を効率化する新たな改革に挑むが、荷主の行動変容も促さなければ、根本的な解決にはならない。佐川急便は令和5年4月に宅配便の基準運賃を5年半ぶりに値上げした。「下をくぐりながら荷物の取り合いをしてきたが、どこかが先陣を切らなければならなかった」(川村博之広報担当部長)。値上げ分は協力会社を含めたトラック運転手の待遇改善の原資にした。6月4月には2年連続で値上げを実施する。荷主が強く、値上げが通りにくい物流業界だが、こうした動きは各社に広がりつつある。
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2024年問題とは 安定輸送へ政府が指針 - 日本経済新聞▼2024年問題 2019年施行の働き方改革関連法で時間外労働時間の上限などが定められたが、物流など一部業界では24年3月末まで猶予期間がもうけられていた。同年4月以降はトラック運転手の時間外労働時間が年間960時間と制約が求められる。物流業界は慢性的な人手不足が続いており、労働時間の上限が加わることで安定輸送がさらに困難になるとの懸念があることから「2024年問題」と呼ばれる。政府は6月の関
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