会社四季報の一番の“売り”は、何と言っても独自の業績予想だ。四季報はすべての上場企業に担当記者を配置し、取材に基づく独自分析で今・来期の2期分の業績を予想している。特に注目されるのが、四季報の「独自増額」銘柄。会社予想よりも四季報が強気な予想を立てた銘柄だ。
上場会社は年間の業績予想を公表する(予測が難しいとして非開示の企業も一部ある)が、計画が未達に終わると株主や投資家から批判されかねないため、あえて堅めの予想を立てる企業も少なくない。また、計画を上回るペースで業績が推移しても、慎重を期して予想を期末まで据え置いたままの企業もある。一方、四季報は会社予想を吟味し、四半期の進捗率なども考慮して、会社計画が過小とみれば、金額を増額した四季報独自の予想を行う。この「独自増額」銘柄こそが毎号の四季報の目玉。特に会社予想との乖離額が大きければ、四季報の発売直後に株式市場でサプライズ材料となり、株価が動意づくことも多い。の予想数値を用いて、「独自増額ランキング」を作成した。今期の予想営業利益に着目して、四季報予想額が会社予想よりも大きい銘柄を抽出し、その乖離率の大きい順にランキングした。
四季報夏号の制作期間は、上場会社の約6割を占める3月期決算企業が新年度の予想を初めて公表して間もないタイミング。このため、今夏号での独自増額は他の決算期の銘柄が中心になるが、それでもランキングには3月期決算企業も複数社が顔を並べている。。今2024年9月期の会社予想の営業利益は10億円と前期比5割以上の減益。しかし、四季報では繁忙期の夏場にレジャー客の増加で国内外とも航空券販売の伸びが見込めると判断。広告宣伝費などの大幅なコスト増を加味しても会社予想はかなり保守的とみて、四季報は会社計画の3倍の30億円の営業益を予想している。
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