【ロンドン=佐竹実】仏製薬大手サノフィは27日、米製薬大手ファイザーと独ビオンテックが開発した新型コロナウイルスのワクチンを自社工場で生産すると発表した。世界中でワクチンの供給が不足していることを受けて、協力体制を組む。サノフィは自社のワクチン開発が遅れていることもあり、より早く供給できる他社製品の生産に乗り出す。
サノフィとビオンテックが同日合意した。2021年夏からドイツのフランクフルトにあるサノフィの工場で1億2500万回分以上を生産し、欧州に供給する。サノフィのポール・ハドソン最高経営責任者(CEO)は「ワクチン供給は予想を下回っているほか、承認の遅れもあって接種能力が限られている」と指摘。「世界的な需要に答えるため、ファイザーとビオンテックのワクチン生産を支援する」と述べた。 サノフィは、英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)と新型コロナのワクチンを開発しているが、初期の臨床試験(治験)段階で高齢者の効果が想定を下回った。抗原を改良して治験を行うため、ワクチンの実用化が当初予定の21年半ばから21年10~12月期に遅れると発表していた。
本文「需要に答える」は「需要に応える」の誤植。
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