中絶の権利、米中間選挙の重要争点に-最高裁が合法判決を覆すリスク

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米議会の支配権を巡る民主・共和両党の闘いに新たな争点として突如、人工妊娠中絶の権利が浮上した。中絶の権利を認めた半世紀前の判例「ロー対ウェイド判決」を連邦最高裁判所の保守派判事らが覆す構えだと報じられたためだ。

ポリティコは2日夜、最高裁判事による多数派意見の草稿を入手したとして、1973年の同判決を覆す内容であることを伝えた。草稿は保守派サミュエル・アリート判事の署名入りで、2月に作成されたもの。それ以降に変更があったかどうかは不明という。ロー対ウェイド判決は、中絶は大半のケースにおいて憲法で保障された女性の権利との判断を示していた。

これを実際に覆す判断が下されれば、共和党にとっては長年の念願がかなう格好となるが、今年11月の中間選挙を控えて民主党への支持を活性化する可能性もある。民主党は上下両院の過半数をいずれも失うと予想されている。 民主党に助言する世論調査専門家のジェフ・ガリン氏は「今回の判断により、女性の権利および中絶の権利は選挙のセンターステージに躍り出る」と指摘。「これまで多くの有権者は合法的な中絶への脅威を真剣に受けとめていなかったほか、ロー対ウェイド判決が覆されるとは考えていなかったが、今やその脅威がはっきりと現実のものとなる」と述べた。 民主党は中間選挙にかけてインフレ高進や新型コロナウイルスの長引く感染流行、バイデン大統領の支持率低迷に見舞われており、共和党はこれら全ての問題を選挙戦で強調する戦略だ。

中絶の権利を無効にする判断は全米で選挙戦を揺さぶるとみられ、上下両院の支配権を左右するペンシルベニアやウィスコンシン、アリゾナ、ネバダ、ニューハンプシャー、ジョージアといった接戦州の行方が特に注目される。政治的に影響力の大きい最高裁判断を受けて、勢力図がどう変わるのかはまだ分からない。 ギャラップのデータによれば、米国民の過半数は1970年代半ば以降常に、全てあるいは少なくとも一部の中絶に関して合法が維持されることを支持しており、中絶はいかなる場合においても違法とされるべきだとする米国民は、5人中約1人にとどまっている。

 

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