「あの夜の門の話を兄の中納言にしましたところ、あなたのことを大したものだとおっしゃっておいでなのです。いつかお会いして直接お話がしたいものですとおっしゃられたんですよ」宮様が「何の話だったの?」とお尋ねになるのでお伝えした。「自分がとっても尊敬している人が、あなたを褒めたから、あなたもきっと喜ぶはずだって思ったのよ。あの人」*中宮様=清少納言が女房として仕える藤原定子。999年、一条天皇との2人目の子(第一皇子)を懐妊していたが、自身の娘(=藤原彰子、紫式部が仕えた)を帝に入内させたい藤原道長の圧力により、出産準備のために身分の低い平生昌邸入りとなった。後ろ盾だった関白の父・藤原道隆は他界、兄・伊周(これちか)は道長との権力争いで失脚、実家も焼失という不遇の身だった。翌1000年、彰子が后の最高位「中宮」の座を与えられ、定子は「皇后」と呼ばれることとなる。史上初めてお后が2人いる「一帝二后」が成立。定子は同年の暮れに3人目を出産後、この世を去る。
【さいはて・たひ】詩人。最新詩集に『さっきまでは薔薇だったぼく』、『グッドモーニング』で中原中也賞、『死んでしまう系のぼくらに』で現代詩花椿賞、『夜空はいつでも最高密度の青色だ』は映画化された。『千年後の百人一首』で百首の現代語訳で注目され、エッセイ集に『百人一首という感情』。小説・エッセイ多数。 【やの・けいじ】イラストレーター。東京芸術大学彫刻科卒業、同大学院美術解剖学研究室修了。任天堂でデザイナーとして勤務後、イラストレーターに。主な仕事に、資生堂プロモーションDM、中村佳穂シングルジャケット、劇団ロロのチラシビジュアル、三井のリハウスの広告イラストなど。
日本 最新ニュース, 日本 見出し
Similar News:他のニュース ソースから収集した、これに似たニュース記事を読むこともできます。
ソース: sakigake - 🏆 88. / 51 続きを読む »
ソース: sakigake - 🏆 88. / 51 続きを読む »
ソース: sakigake - 🏆 88. / 51 続きを読む »
ソース: sakigake - 🏆 88. / 51 続きを読む »
ソース: sakigake - 🏆 88. / 51 続きを読む »
ソース: sakigake - 🏆 88. / 51 続きを読む »