<麻薬取締のため人権侵害とも言われる強硬な捜査を続けてきた比ドゥテルテ。だが、その成果が実を結ぶためにはまだ時間がかかりそうだ>
内外の人権団体や米政府の「人権侵害批判」にも関わらず、国民の高い支持を背景に相変わらず麻薬犯罪対策で"超法規的殺人"を含む強硬策を続けているフィリピンのドゥテルテ政権。ところが、現在フィリピンで186の麻薬シンジケートが活動しているとの報告が出され、「麻薬戦争」がまだ道半ばであることが裏付けられた。さらにその麻薬密輸も海上で受け渡す「瀬取り」方式が増加、摘発逃れのために麻薬の防水パッケージにGPSを装着するなど巧妙化していることも明らかになった。 人権問題などを主に報じる「ブナ―ル・ニュース」などの報道によると、フィリピン麻薬取締局(PDEA)のアーロン・アキノ長官が12月12日に発表したところでは、フィリピン国内での麻薬摘発捜査はまだ続いており、複数の州知事や村長、村議会議長クラスの人物たちが麻薬ビジネスを運営したり、関与している疑いがあり、摘発のために監視活動を続けているという。この中には最近摘発した中国人の大物麻薬業者のリアン・ホン容疑者も含まれていることを明らかにした。彼はマニラ近郊で4カ所の秘密麻薬製造工場を運営していた。ホン容疑者は中国本土の麻薬王といわれる"ドラゴン・ウー"の一派で、別の麻薬王ウーピン・チェンの組織とも関係が深いとされている国際的な麻薬犯罪者だったという。
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