中国で新型コロナウイルスのオミクロン変異株の市中感染が確認されたことで、サプライチェーン(供給網)に緊張が走っている。中国が急速に拡大するオミクロン株を封じ込められなければ、世界最大の貿易国である同国内で混乱が生じる可能性に製造業者や輸送業者は備えている。
オーストラリアでの鶏肉不足や日本でのフライドポテト不足といった問題に中国はこれまでのところ直面してはいない。しかし、来月の北京冬季五輪や年内に予定する一連の政治イベントを準備する中国で「ゼロコロナ」戦略の終了はあり得ず、当局はどれだけ制限を強化すべきか判断を迫られ、既に減速する景気や国際貿易にどう打撃が及ぶかも考慮する必要がある。 ここ数週間に、デルタ株とオミクロン株の両変異株が中国全体で散発的に流行しており、浙江省寧波にある中国最大級の港の周辺ではガスの流通や衣料品工場の操業が停止。陝西省西安市のロックダウンでコンピューター用半導体製造に混乱が生じているほか、河南省安陽市でも11日に市全体が封鎖された。近隣の他の都市も制限に直面している。中国南部にあるテクノロジーや製造業の中心地、広東省深圳市の当局は11日、市内に入る車両に対する規制を厳格化した。アジア最大級のコンテナ港で昨年は1カ月間にわたり部分的に閉鎖された塩田港の操業遅延への懸念が浮上している。
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