パラ陸上 の世界選手権が１７日、神戸ユニバー記念競技場で開幕し、男子５０００メートル（視覚障害Ｔ１１）で東京パラリンピック銀メダルの 唐沢剣也 （ＳＵＢＡＲＵ）が１５分３秒２５で日本勢１号の表彰台となる銅メダルを獲得した。
東京パラ銅の和田伸也（長瀬産業）は５位。女子走り幅跳び（知的障害）では酒井園実（ＩＳＦｎｅｔ）が６位、川口梨央（かがやきプロジェクト）が７位だった。男子１００メートル（上肢障害Ｔ４７）の石田駆（トヨタ自動車）と三本木優也（ＮＴＴ東日本）は予選敗退。大会はパリ・パラリンピックの代表選考会を兼ねて行われる。日本パラ陸連は昨年の世界選手権パリ大会で４位以内に入った選手に加え、今大会２位以内の選手をパラ代表に選出する方針。２位につけていた序盤から一転、後半は苦しんだ。後方にいた東京パラ金のエウツィン・ジャケス（ブラジル）が一気に加速して先頭へ。追いすがったが逆に離され、４０００メートル過ぎには４位まで順位を下げた。「もう少し前を追える位置で走れていたら。粘れなかったのが敗因」。悔しいレースの中、ラストスパートで表彰台を譲らなかったことがせめてもの意地だった。
前回大会より２秒近くタイムは縮めた。しかし、世界はさらに上を行った。１位のジャケスは唐沢が持っていた世界記録（１４分５５秒３９）を１秒４２更新。「自分も手応えはあったが、海外選手はもっと伸びている。置いていかれないようにしないと」 今回は２人のガイドランナーのうち１人は初めての国際大会だった。連携面で修正すべき点も多く見つかったはずだ。「この悔しさをバネに、パリでは金メダルを獲得したい」と唐沢。すでに出場を確実としているパリ・パラに向け、気を引き締め直すレースになった。（森井智史）ハイペースな展開となったレースで表彰台を逃した和田は「（東京パラリンピック後の）周りのレベルアップがすごい」と振り返った。中盤に一時、３番手まで上がったものの、スパートで及ばなかった。東京パラ銀メダルの１５００メートルにも出場予定で、「予選を突破してメダル争いに絡めるように頑張りたい」と気持ちを切り替えていた。
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