三井物産の水素供給網、ノルウェーのタンク世界大手軸に

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「半導体や医療品、食品関連工場における『グリーン水素』需要が急増している」。水素タンク世界大手であるノルウェー・ヘキサゴンプルスのモルテン・ホーラム最高経営責任者(CEO)は1月25日、ドイツ西部のヴェーツェで開かれた新工場の開所式で、こう明かした。グリーン水素は再生可能エネルギー由来の電気を用い、水を電気分解してつくられる。半導体や医療品などの産業は以前から水素を利用しているものの、脱炭素化

ヴェーツェから車で東へ約3時間の距離にあるカッセルにも、ヘキサゴンプルスの真新しい水素タンク工場がある。もともとは別の企業が経営していた工場だが、ヘキサゴンプルスが買収。5本のタンクに東レ製の炭素繊維を同時に巻き付ける最新設備などを備えた生産ラインを設けた。安全性が重視される製品であるため、生産工程にはいくつものテストのポイントがある。水素事業責任者のミヒャエル・クレシンスキー氏は「さらに生産ラインを増やすことを検討している」と話す。や新興メーカーの米ニコラに対し、燃料電池(FC)トラック向けの水素タンクを販売しており、他メーカーもFCトラックの開発を進めている。

さらなる需要拡大に備え、ヘキサゴンプルスは生産量の拡大を急ぐ。ドイツのヴェーツェとカッセルのほか、米国とカナダにも新たな工場を稼働。現在、中国でも工場を建設中だ。今は投資先行の段階で23年12月期のEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は赤字だが、ホーラムCEOは「今期に欧州の水素事業は黒字化し、25年には全体でも利益が出る見込みだ」と語る。一方で三井物産の狙いはどこにあるのだろうか。三井物産からヘキサゴンプルスに出向し、シニア・バイス・プレジデントを務める栁田麦彦氏は「まずは投資先会社の競争力を上げる。その後それぞれの事業をつなげていく。スケールメリットで水素の末端価格を下げることで利活用を促し、市場の裾野を広げる」と明かす。

三井物産はヘキサゴンプルス以外にも、19年には米国で水素ステーションを展開する米ファーストエレメントヒューエル、22年にはいずれもグリーン水素を生産する仏ライフ、ノルウェーのノルウェジアン・ハイドロジェンに出資するなどしている。世界で水素のサプライチェーン(供給網)づくりを進めており、既に出資先同士はつながり始めている。 例えば、ヘキサゴンプルスのヴェーツェ工場にはライフのコンテナがあった。ライフは21年、風力発電所の電気を用いてグリーン水素を生産する商業プラントを稼働。22年にも洋上風力発電所の電気を使ったグリーン水素の実証プロジェクトを立ち上げるなど、複数のプロジェクトを抱えている。順調に立ち上がれば、ヘキサゴンプルスの水素タンク需要も高まるというシナジー(相乗効果)が期待できる。

またヘキサゴンプルスが狙うFCトラック需要には、ファーストエレメントヒューエルが関係してくる。同社は米カリフォルニア州の最大手で40カ所以上の水素ステーションを展開。これまでは燃料電池車(FCV)向けの拠点だったが、今後はFCトラックなど商用車向けのステーションを整備していく方針という。ヘキサゴンプルスのドイツ・カッセル工場で、水素タンクの前に立つ水素事業責任者のミヒャエル・クレシンスキー氏(左)と三井物産から出向する栁田麦彦氏

 

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