5月22日、ロシア国防省は、バルト海におけるロシア領海の境界線の修正を提案した。バルト海に面するフィンランドとリトアニアは強く反発している。写真はフィンランドのストゥブ大統領。ベルリンで8日撮影(2024年 ロイター/Annegret Hilse) - ロシア国防省は、バルト海におけるロシア領海の境界線の修正案を公式ポータルサイトに掲載した。フィンランド、スウェーデン、リトアニア、エストニアなどバルト海に面する北大西洋条約機構(NATO)加盟国が懸念を示した後、同案は22日にサイトから削除された。サイトに掲載された21日付の政令草案は、フィンランド湾東部にあるロシア領の島々の周辺と、カリーニングラード周辺の境界線を調整することを提案。承認されれば、政令は2025年1月に発効するという。
ロシア国防省は境界線を調整する理由として、1985年に当時のソビエト連邦が行った境界線の測定は20世紀半ばの海図を使用しており、より現代的な地図座標に完全には対応していないと説明。ただ、境界線がどのように調整されるのか、バルト海周辺の他の諸国と協議が行われたのかは、政令草案では明らかにされていなかった。フィンランドのストゥブ大統領は「フィンランド湾の海域の定義に関するロシアメディアの情報を調査している」とした上で「状況を注視している。この件に関してロシアから何らの接触もない」と述べた。エストニアのツアフクナ外相は「一見すると、ばかげた考えのようだ」と述べた。
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