試合後、これでバンタム級の〝卒業〟を明言した井上は、すぐに今度は1つ上の階級統一を目標に掲げた。日本が誇るモンスターのこんなコメントは、いかにも統一戦の時代らしいものだったといえよう。5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(米国)、全8階級で最強と目される選手を下したマニー・パッキャオ(フィリピン)が全盛期に近かった数年前まで、ほとんどの著名ボクサーたちはより多くの階級を制覇することを目標に掲げていた印象があった。それが最近では風潮が変わり、井上に限らず、多くの王者たちが「統一したい」と口にする。結果として、2017年以降、テレンス・クロフォード(米国/スーパーライト級)、オレクサンドル・ウシク(ウクライナ/クルーザー級)、ジョシュ・テイラー(英国/スーパーライト級)、「カネロ」ことサウル・アルバレス(メキシコ/スーパーミドル級)、ジャーメル・チャーロ(米国/スーパーウエルター級)、デビン・ヘイニー(米国/ライト級)と続々と4冠王者が誕生してきた。
このトレンドのきっかけが何だったかを特定するのは難しいが、やはりアルバレス、クロフォードのような現代を代表する強豪たちが統一戦路線で評価を高めていったのが大きかったのだろう。WBA、WBC、IBF、WBOといういわゆる主要4団体が存在する現代のボクシング界では、単に世界タイトルを取るだけでは最強の男とは目されなくなった。タイトル戦の承認料でもうける世界王座統括団体は暫定王者、スーパー王者、フランチャイズ王者といった意図不明の王座を乱発し、ファンをがっかりさせるようにもなった。統一王者たちは程度の差こそあれ、複数のベルトを勝ち取ることで例外なくステータスと商品価値を高めている。ウクライナ出身の比較的地味な技巧派であるウシクが今では全階級を通じて最高級の実力者として認められ、最も権威ある米専門誌リングマガジンの「パウンド・フォー・パウンド・ランキング(全階級を通じた最高ボクサーランキング)」でも1位にランクされたのは分かりやすい例。こういう好循環ができたのであれば、統一戦の流行は今後も続くのではないか。
23年も新たな4団体統一王者の誕生が確実視されている。まずはヘビー級でWBC王者タイソン・フューリー(英国)とWBAスーパー、IBF、WBO王者であるウシクの激突が実現すれば、世界的な注目を集めるはずだ。特にウシクが体格で大きく勝るフューリーの壁をも突破し、クルーザー、ヘビー級の2階級で4冠を制するようなことがあれば、ウクライナの拳豪は現役にして〝レジェンド〟と称されるようになるだろう。 また、群雄割拠のウエルター級ではWBAスーパー、WBC、IBF王者エロール・スペンス・ジュニア(米国)とWBO王者クロフォードによる超ハイレベルの4冠戦実現への期待がかかる。ライトヘビー級では昨年、アルバレスを破って実力を証明したWBAスーパー王者ドミトリー・ビボルと18 戦全勝全KOという強打のWBC、IBF、WBO王者アルトゥール・ベテルビエフのロシア人無敗対決が成立すれば、ボクシングマニア垂涎(すいぜん)のカードとなる。
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