番組では、中尾さんのこだわりがネタになることも多かった。ホランは「ご自身のスタイルをもってらっしゃるので、頑固なところをお見せになって私たちを笑わせてくれるのが定番でしたが、カメラが回ってないところでは、“よく仕事してるね?ちゃんと食べてる?”というような、本当に心温まる言葉をたくさん下さる、優しい方だったんですよね」と明かし、カメラの前とはまた違った優しい一面で気遣ってくれたという。ホランも「本当に寂しいですけど、志乃さんが“笑って送ってあげてください”とコメントを発表されていますので、笑顔で“ありがとうございます”とお伝えしたいです」と、志乃の思いをくみながら、天国へ旅立った中尾さんへほほ笑みながら感謝を伝えた。
中尾さんは、高校卒業後の1961年に武蔵野美術大学油絵学科に入学。翌62年に日活ニューフェースの第5期に合格し、映画デビューを果たすが、画家の道を捨てきれずに大学を中退してフランスに留学したこともあった。帰国後の64年に劇団民藝に研究生として入団し、翌65年に中平康監督の「月曜日のユカ」で主演の加賀まりこのボーイフレンドを好演して注目を集めた。70年に日活と民藝を離れてフリーに転身。75年に「本陣殺人事件」で金田一耕助役で主役を張ったほか、東映「極道の妻たち」シリーズ、東宝「ゴジラ」シリーズ、伊丹十三監督の「ミンボーの女」、さらには「アウトレイジ ビヨンド」や「龍三と七人の子分たち」など北野武監督の作品に重用され、コワモテから気の良い親分まで変幻自在に演じ分けて貫録を示した。ドラマではテレビ朝日「暴れん坊将軍」の初代徳川宗春役やNHK土曜ドラマ「ハゲタカ」などで存在感を示した。
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