北京はアメリカに4000億ドルにも及ぶ貿易赤字をもたらしたが、これは全世界の貿易赤字の半分に至る。われわれは25年間を使って、中国を再建したのだ。これ以上に現実を表している言葉はないが、失ったものは戻らない。
(筆者注:この「25年間」という言葉は2018年10月4日のハドソン研究所における演説の時にも用いている。これは1992年10月の天皇陛下訪中により、日本が天安門事件に対する西側諸国の対中経済封鎖を解除させてしまったことを指している。92年末から93年にかけて、世界中からの対中投資が一気に、爆発的に増加した。)しかし「失ったものは戻らない」という言葉は、ドナルド・トランプ大統領により覆されるだろう。アメリカは二度と「経済的接触(という手段)のみに頼って共産主義国家・中国を自由な西側諸国の価値観に基づく国家に転換する」という望みを持つことはない。それどころか逆に、トランプ大統領が2017年の国家安全戦略で述べたように、今やアメリカは中国を安全戦略と経済上の競争相手とみなしている。多くの専門家が、中国が短期間内にアメリカ経済を凌駕するだろうと予測しているが、トランプ大統領の大胆な経済政策により全ては変化していくだろう。
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