ベン・アフレック主演! 映画『ドミノ』レビュー──ロバート・ロドリゲスのインディーズ魂が炸裂! ノンストップのSFアクションスリラー

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『シン・シティ』や『グラインドハウス』シリーズなどで知られるロバート・ロドリゲス監督の最新作『ドミノ』が、10月27日(金)に公開される。近年は「選んだ脚本にハズレなし」と称されるベン・アフレックが主演を務める本作の見どころを、篠儀直子が解説する。

ジャンルを横断し、はるか遠くまでたどり着く 「この映画にはどんでん返しがあります」と予告されるだけで、すでにネタバレだという説がある。いよいよラストが近づいてくると、ここからひっくり返るのだなと心の準備をしてしまい、どんでん返しが与えてくれるはずのサプライズがなくなってしまうからだ。その線で行くと、この映画のキャッチコピーもすごい。何しろ「冒頭5秒、既に騙されている。」である。そんなことを言われたら、いま見ているものはあとで全部覆されてしまうのだなと始まるやいなや思ってしまい、どう覆るのかをあれこれ予想しはじめてしまうかもしれない。 だが、そんなわたしたちの予想を振り落とそうとするかのように、映画は全速力で突っ走る。もはや展開を予想している暇はなく、必死でついていく以外ない。この思い切りはなかなかいい。...

ジャンルを横断し、はるか遠くまでたどり着く 「この映画にはどんでん返しがあります」と予告されるだけで、すでにネタバレだという説がある。いよいよラストが近づいてくると、ここからひっくり返るのだなと心の準備をしてしまい、どんでん返しが与えてくれるはずのサプライズがなくなってしまうからだ。その線で行くと、この映画のキャッチコピーもすごい。何しろ「冒頭5秒、既に騙されている。」である。そんなことを言われたら、いま見ているものはあとで全部覆されてしまうのだなと始まるやいなや思ってしまい、どう覆るのかをあれこれ予想しはじめてしまうかもしれない。 だが、そんなわたしたちの予想を振り落とそうとするかのように、映画は全速力で突っ走る。もはや展開を予想している暇はなく、必死でついていく以外ない。この思い切りはなかなかいい。 物語は次のように始まる。ダニー・ローク刑事(ベン・アフレック)は娘のミニーが行方不明になって以来、心身のバランスを崩してカウンセリングを受けていた。復職の許可が下りた彼は、相棒のニックス(J・D・バルド)とともに、強盗の計画があるとの匿名通報があった銀行へと急行する。そこで出会ったのはひとりの怪しげな男(ウィリアム・フィクナー)。彼と何気ない言葉を交わしただけで、警備員や行員は、まるで操られているかのように貸金庫へ向かう。一足早くその貸金庫を開けたロークは、そこに「レヴ・デルレーンを見つけろ」と書き添えられたミニーの写真を発見。男を屋上へと追い詰めるが、彼は忽然と姿を消す。 ロークは匿名通報の発信元である、ダイアナ・クルーズ(アリシー・ブラガ)という占い師の店へ向かう。クルーズによれば、彼女はかつて謎の男と同じ組織に属していたことがあり、そのうえ、彼女も男も人の心を操る能力の持ち主だという。男の目的は何なのか。彼はなぜミニーの写真を手に入れようとしていたのか。レヴ・デルレーンとは誰なのか。ロークはクルーズの協力を得て、真相を追う──! 行方不明の娘を父親が捜すというある種の定型を出発点に、映画はどんどんとジャンルを横断していき、はるか遠くまでたどり着く。この話運びにはハマる人も多いだろう。アクションの面白さ、サイキック・バトルの描写の面白さ、心理戦の面白さももちろんある。構成やストーリーのアイディアは初期のクリストファー・ノーランみたいな感じもあって(そういえば途中「はっ、これは『インセプション』 なのか?」と思う画面もある)、やろうと思えばものすごい超大作SFにだってできそうな企画だ。それをあえてジャンル映画特有のシンプルさとスケール、スピード感で撮ってしまうのが、ロバート・ロドリゲスのインディーズ魂なのだろう。 もうひとつ興味深い点として、この映画はそれ自体、〈映画〉のメタファーになっている。作品の性格上詳しいことが言えないのだが、後半に訪れるある大きな転換点で、わたしたちはそれを知ることになるだろう。 『ドミノ』 10月27日(金)より、全国ロードショー! © 2023 Hypnotic Film Holdings LLC. All Rights Reserved. 配給:ギャガ、ワーナー・ブラザース映画 公式ホームページ:https://gaga.ne.jp/domino_movie/ 篠儀直子(しのぎ なおこ) 翻訳者。映画批評も手がける。翻訳書は『フレッド・アステア自伝』『エドワード・ヤン』(以上青土社)『ウェス・アンダーソンの世界 グランド・ブダペスト・ホテル』(DU BOOKS)『SF映画のタイポグラフィとデザイン』(フィルムアート社)『切り裂きジャックに殺されたのは誰か』(青土社)など。 編集・横山芙美(GQ)

 

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