【サンパウロ=宮本英威】ブラジル中央銀行は8日開いた金融政策決定会合で、政策金利を1.5%引き上げて9.25%にすると決めた。利上げは7会合連続。景気は厳しい状況にあるものの、干ばつや経済再開に伴いインフレは加速しており、金融引き締めを優先している。
9人の委員が全会一致で決めた。9.25%の金利水準は2017年9月の水準にならんだ。利上げ幅は前回10月会合と同じで、大幅な利上げを続けた。中銀は声明で22年2月の「次回会合でも同規模の調整を予測している」と言及した。 11月前半の消費者物価指数は前年同月比で10.73%上昇した。中銀の目標上限(5.25%)の2倍を上回る水準で、インフレは加速傾向にある。降雨不足による不作で農作物の値段は上昇しており、新型コロナウイルス禍からの経済再開が進んでいるためサービスの価格も上昇しやすい。 ブラジルは定義上の景気後退局面にある。2日発表の21年7~9月期の実質国内総生産(GDP)は前四半期比で0.1%減となった。4~6月期に続いて2四半期連続のマイナス成長だ。経済が厳しい状況の中での利上げは経済を一段と冷やしかねないが、中銀はインフレ抑制を優先している。新型コロナを巡っては、新たな変異型「オミクロン型」が世界で広がっており、中銀は「先進国経済の回復のペースの不確実性が増している」と分析している。
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