【北京=三塚聖平】中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の業績が回復している。米国による半導体供給の禁止で大打撃を受けたことが、逆にIT製品に必要な技術の自力開発を促す要因となった。スマートフォン事業は持ち直し、事業も多角化。欧米など締め出された海外市場への再展開を図っているとみられる。華為が3月末に発表した2023年12月期決算は最終利益が前期比約2・4倍の869億元(約1兆9千億円)、売上高が9・6%増の7041億元だった。中国メディアによると3年ぶりの増収増益で、胡厚崑(こ・こうこん)輪番会長(当時)は談話で「華為は幾重の試練を経験する中で絶えず成長してきた」と強調した。
華為は19年、トランプ前米政権により米企業からの輸入を原則禁止された。措置が段階的に強化されたことで、半導体調達や米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」の利用にも支障が生じ、主力のスマホ事業が打撃を受けた。21年12月期決算は売上高が前年比3割近く減少した。華為は事業売却で〝出血〟を止め、制裁の影響をそぐためにIT製品に不可欠な技術の自社化、国産化を進めた。独自開発のOS「鴻蒙(ホンモン、英語名・ハーモニー)」に切り替え、国産半導体を使ったスマホの開発も進めた。23年には研究開発投資額が、売上高の23%超に相当する1647億元に達した。 昨夏発売のスマホ「Mate60Pro」は、回路線幅が7ナノメートル(ナノは10億分の1)という先端製品に近い半導体を使っていることが判明。規制対象で開発が不可能とみられていたため米側に衝撃を与えた。華為傘下の海思半導体(ハイシリコン)が設計し、中国の受託製造最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)が製造したとみられている。中国では愛国ムードの高まりもあり、華為のスマホシェアは拡大している。米調査会社IDCによると24年1~3月期の中国市場のスマホ出荷台数で華為は前年同期比で2・1倍となり、メーカー別シェアでアップルを上回り2位となった。ハーモニーOSも、アンドロイドとの互換機能を廃止する最新版を年内に投入する予定で、米国由来の技術との決別路線が鮮明となっている。
華為は新たな成長事業として、自動車向け事業を位置付ける。中国メーカーの間ではハーモニーOSなど華為が開発したシステムの利用が拡大。5月4日まで開かれた北京国際モーターショーでは新たに北京汽車と共同運営する電気自動車(EV)ブランド「STELATO(ステラト)」などが出展された。23年12月期決算で自動車関連事業の売り上げは約47億元と規模はまだ小さいが前年比で2・3倍となった。 ただ、米政府が華為に対する米インテルなどの半導体輸出許可を取り消したことが5月上旬に判明するなど、「禁輸の壁」はさらに高くなっている。11月の米大統領選でトランプ前大統領が返り咲けばさらに圧力が増す可能性もあり、華為の胡氏は昨年末の談話で、地政学リスクなどを挙げて「依然厳しい困難がある」と先行きに警戒もしている。
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