パートや派遣社員などが春闘の時期に合わせて賃上げを求める「非正規春闘」に取り組む人たちが記者会見を開き、一部の企業で賃上げが行われた一方で、半数近くの企業からは賃上げの回答が得られなかったと報告しました。交渉状況について、実行委員会が9日、都内で記者会見を開き、これまでに107社のうち55%にあたる59社から賃上げの回答があったことを明らかにしました。さらに全体の45%にあたる48社からは、これまでに賃上げの回答は得られていないと報告しました。非正規春闘に取り組む首都圏青年ユニオンの尾林哲矢事務局長は、「非正規労働者が戦い、賃上げを勝ち取ったことは、画期的な成果だと思っている。一方で、賃上げがなかったり、あっても少額の賃上げにとどまっていたりする企業が多く、今後も交渉を続けていく」と話していました。
また、非正規労働者として物流倉庫で働く川邉隆さんは、「春闘で歴史的な賃上げだと言われているが、われわれにとっては別世界の話のようだ。会社と賃上げ交渉をしているが、回答は全くのゼロで、団体交渉にもきちんと応じていない」と訴えました。 非正規で働く人たちは去年、労働者全体の37%にあたる2100万人余りにのぼり、増加傾向が続いていて、非正規春闘実行委員会では、引き続き賃上げ交渉を行うともに、最低賃金の大幅な引き上げも求めていくとしています。
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