2022年4月1日、パナソニックグループが「パナソニック スポーツ株式会社」の発足を発表した。パナソニックグループでは、サッカーやラグビー、バレーなど幅広くスポーツに関わる事業を展開している。そんな中で、なぜ「スポーツ事業を専門とする会社」を立ち上げることになったのだろうか? 立ち上げの目的や今後の展望を取材する。「パナソニック スポーツ」発足の背景、経緯を同社広報部に聞いたところ、きっかけは「2019年に行われたラグビーとバレーボールのワールドカップが日本で開催されたこと」だという。
この取り組みを進める中で、パナソニックの持ち株会社化への話が立ち上がり、スポーツマネジメント推進室としても事業会社化することが決定。約1年間の準備期間を経て、2022年4月に新法人「パナソニック スポーツ」が誕生したというわけだ。ひとつの会社の「企業スポーツ」から、「スポーツ企業」に進化した「パナソニック スポーツ」。同社広報によると、「『パナソニック スポーツ』はスポーツで繋がるコミュニティーを作り、人々に生きる喜びと感動、そして勇気に満ちあふれた暮らしを提供することが大きなミッション。また、競技する人、応援する人、支える人に寄り添い、持続可能なスポーツ事業を創造し続ける革新的企業となることをビジョンとして持っています」とのこと。
加えて、パナソニック野球部と女子陸上部(エンジェルス)の運営をパナソニックホールディングスから受託する形で、両チームのマネジメントを担当。企業スポーツ運営だけでなく、プロからアマチュアまで多様なスポーツチームの運営を手掛ける中、デジタルマーケティングの活用と、さらなるスポーツコンテンツの新事業創造など、世界に例のないスポーツ専門企業を目指している。「スポーツにおけるデジタルソリューションの活用」は、近年大きな盛り上がりを見せている。「パナソニック スポーツ」では、前述のように、ガンバ大阪での集客支援で活躍したデジタルマーケティングのノウハウを、他チームでも活用していく。 また、スポーツ庁が提言した「学校の部活動運営」をはじめとする社会課題の解決にも貢献できないかと考えているという。例えば、同社が持つスポーツチーム運営のノウハウや指導法を部活動に取り込むことで、スムーズな部活動の運営が可能になるだろう。部活レベルの向上や、指導する先生の負担減にもつながると期待される。同社が考える新たなサービス事業の一例になるかもしれない。
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