A sign is posted in front of the Nvidia headquarters on May 10, 2018 in Santa Clara, California. 大企業がもっと大きくなるとの賭けが当たり、何年も前から利益を積み上げてきた株式トレーダーらは、バブルがどういうものだったか忘れている。 こう語るのはリサーチ・アフィリエイツを創業したロブ・アーノット氏だ。超大型株膨張の危険性を警告することで知られるアーノット氏は、そうした脅威を緩和するパッシブ運用プロダクトの設計者でもある。年初から232%上昇したエヌビディア株は、コンピューターサイエンス革命の流れに乗っているのかもしれないが、「大いなる市場の妄想として教科書で説明するような話だ」とリポートで指摘した。
「過信に陥った市場は逆説的に、ビジネスの輝かしい未来をもっと輝かしい現在の株価水準に変えてしまう」とアーノット氏は110倍近辺の株価収益率(PER)を引き合いに説明。「エヌビディアはそうしたジャンルの典型だ。偉大な企業が完璧を超えた価格で評価されている」と述べた。 アーノット氏がバブル疑惑を指摘して厳しい意見を述べるのは、これが初めてではない。同氏は巨大企業による影響を限定する手法で従来の株価指数を組み直す、いわゆるスマートベータシステムを設計した人だ。テスラが新規採用銘柄として過去最大の時価総額を持ってS&P500種に組み入れられた後の2020年12月、同氏は...
「われわれの読みが外れ、エヌビディアが信じがたいような繁栄へ向かい、株価が今後10年でまた10倍に跳ね上がるというリスクは考えられる」と、アーノット氏。「はっきり言ってその信ぴょう性は乏しい。だからこれをバブルと呼んで差し支えないだろう」と述べた。