同賞は過去に「スター・ウォーズ」や「エイリアン」「ジュラシック・パーク」「アバター」など、映像史に革新をもたらした名作が受賞。「―１．０」は都市破壊に代表される「ゴジラ」映画の定番シーンをレベルアップさせつつ、海上でのゴジラと船舶の激しいチェイスシーンなど新機軸をふんだんに盛り込み、怪獣映画のビジュアルの可能性を大きく広げた。
ＶＦＸ（視覚効果）は山崎監督の指揮の下、自身が所属する映像制作会社「白組」のスタッフが手掛けた。監督は今作のインタビューで、「ゴジラと人間の（距離的な）近さを意識した」と話し、ＶＦＸシーンが違和感なく人間の演じるシーンと「接着」できたり、アップに耐えるリアリティーを表現できたりするのは、今の技術水準があってこそと強調していた。 かつての着ぐるみやミニチュアを使ったアナログ特撮と異なり、ゴジラはＣＧで表現。監督は「ＡＬＷＡＹＳ 続・三丁目の夕日」（２００７年）の冒頭でリアルなゴジラを登場させ話題を呼んだが、その時と比べ、今回は処理データの量が膨大で「全てが大変だった」と振り返っていた。 山崎監督は中学生の時に見た「スター・ウォーズ」と「未知との遭遇」に衝撃を受けて、視覚効果を駆使した作品の作り手を目指すようになったという。今回の受賞は、自身をクリエイターへの道に導いた、敬愛するハリウッド映画への恩返しと言えるかもしれない。
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