<トランプ大統領によって中東和平案が発表された。しかし、この「世紀のディール」がまともな交渉の提案として機能する可能性はきわめて低い......>
やや注目を集めたのは、アラブ諸国の動きである。カタールとサウジアラビアは発表直後の声明で「アメリカの仲介努力に」謝意を示した。UAE(アラブ首長国連邦)、バーレーン、オマーンの駐米大使らは、発表のまさに当日、ホワイトハウスの別室でユダヤ系資産家のエーデルソン夫妻と同席していたことが報じられている。これら湾岸諸国の反応には、昨年6月にバーレーンで開かれたマナーマ会議での経済投資という「飴」が、少なからぬ影響を与えていることが推察される。2月1日にはアラブ連盟の緊急会合がエジプトで招集され、結局、今回のトランプ提案を拒否することが議決されたものの、かつてのアラブの連帯はどこへ消え去ったのか、情けない限りである。
次に指摘されるのが、イスラエル国内での首相の収賄疑惑に伴う訴追のタイミングだ。トランプ大統領が中東和平案を発表すると設定した1月28日は、まさにクネセト(イスラエル国会)でネタニヤフ首相の3つの汚職疑惑に対する訴追免除が議論される予定の日だった。その同じ日に、発表に合わせてネタニヤフ首相をワシントンに招待することで、当人を不在とし、イスラエル国内での批判の勢いをそぐ狙いもあったと考えられる。同様に議会から弾劾される立場として、トランプ大統領自身、共感を抱ける部分もあったのかもしれない。
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ソース: gigazine - 🏆 80. / 51 続きを読む »