大を見込んでいる」と説明した。
しかし、テスラの決算をより詳しく見てみると、同社が今年力強いスタートを切った大きな理由は、5億1800万ドルに上る温暖化ガス排出枠(クレジット)の売却収入と、暗号通貨ビットコインの保有高であることが分かる。 テスラは昨期、高騰していたビットコインに15億ドルを投資。同社の「マスター・オブ・コイン(最高財務責任者を表す肩書)」ことザッカリー・カークホーン氏によると、その後同社はポジションの10%を売り、1億100万ドルの利益を確定させたという。「テクノキング」という正式な肩書を持つイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は26日、投資家に対し、半導体不足はテスラにとって「大きな問題」だと説明。「当社はこれまでで最大規模となる供給網の課題」を抱えていると述べた。テスラがこの目標を達成するには、世界最大の市場である中国で引き続き力強い需要に恵まれる必要がある。だが目下、その中国で消費者と当局から潜在的な問題を突き付けられている状況だ。
先週開幕した上海モーターショーでは、テスラ車に問題があると抗議する人たちによって、同社のブースが取り囲まれる一幕があった。また同社は2月、上海工場で作られた車の品質をめぐる協議のため規制当局から呼び出しを受けた。3月には、車載カメラがスパイ行為に使われる可能性があるとの懸念から、中国軍が軍施設へのテスラ車の進入を禁じたとの報道も流れた。そのうえ、テスラはリビアンのような新興企業とのし烈な競争に直面している。フォルクスワーゲン(VW)やゼネラルモーターズ(GM)のような伝統的な自動車メーカーも電気自動車のラインアップを強化している。 テスラがこうした逆境をものともしない可能性はある。ビスポーク・インベストメント・グループによると、いずれにせよ同社の株価は財務業績から乖離(かいり)することが多い。それでも、テスラと「テクノキング」の前途は多難に見える。
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