フォード株は75%近く上昇し、上げ幅はS&P500採用銘柄でトップ10に入る。同社は先月、電動トラック「F150ライトニング」をお披露目したほか、2030年までに世界売り上げの4割をEVが占めるようになるとの見通しも示した。テスラに追いつこうとEVラインナップの拡充を図るこうした旧来型自動車メーカーに、投資家はやや目がくらんでいるようだ。ただ、テスラは米金融市場で最も評価が分かれる銘柄の一つでもある。
金融情報会社リフィニティブによると、アナリストのうち14人はテスラ株の投資判断を「買い」、13人は「ホールド」、10人は「売り」とした。一方、GMの場合、「買い」は20人、「ホールド」は2人で、「売り」は1人もいない。 テスラに批判的な向きが指摘する懸念材料は山のようにある。ベストセラー「世紀の空売り」に登場する著名な空売り投資家がテスラ株の下落に賭けているほか、長年の幹部ジェローム・ギレン氏が今月初めに突然会社を去ったことを受け、経営陣に関する懸念も浮上した。何より懸念されるのは、最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏が宇宙開発会社スペースXの経営に忙しいことだ。 このほか、マスク氏が暗号資産(仮想通貨)のビットコインやドージコインに傾倒していること、米人気番組「サタデー・ナイト・ライブ(SNL)」の司会やツイッターのような本業以外の活動に精を出していることも、一部の投資家やアナリストから嫌気されている可能性がある。
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