ギル・プラット博士は、現在Chief Scientist and Executive Fellow for Research of Toyota Motor Corporationという役職にあるが、トヨタのAI研究開発機関であるTRI(Toyota Research Institute)を立ち上げ、前職はDARPA(Defense Advanced Research Projects Agency、国防高等研究開発局)のプログラム・マネージャーとしてロボット関連を担当。現在の自動運転技術の源流の一つとも言える、DARPA Robotics Challengeを担当した。DARPAの大きな成果の一つがインターネット技術であるように、先端の技術開発にたずさわってきた人物になる。
そして、その年の4月に行なわれたNIDIAのGTC(GPU Technology Conference)2016では基調講演を担当。かつては謎の半導体企業とも書かれたNVIDIAだが、2010年代半ばでグラフィックスやスーパーコンピュータ企業からAI企業へと転身。その転換期にギル・プラット博士は基調講演を担当、TRIが取り組んでいるAIの研究成果や、トヨタが考える自律運転/自動運転の方向性などに関する講演を行なった。 この講演はエポックメイキングなもので、混沌としていた自動運転車の開発方向性に一つの指針を与えた。博士は、自動制御におけるSeries、Interleaved、ParallelといったDARPAのロボット開発で培ってきた知見を示し、人とロボットがどうかかわって行くのかということについて説明。
その上で、TRI設立に当たって当時の豊田章男社長から受け渡された「安全(Safety)、環境(Environment)、誰もが使える移動手段(Mobility for All)、楽しい運転(Fun to Drive)」の4つのビジョンを紹介。Safety、Environmentまでは当時でもコモンセンスとなっていたが、Mobility for Allは近年トヨタが積極的に取り組んでいることでもあり、Fun to DriveはトヨタのDNAとも言える部分でもある。それら4つのビジョンとともにある自動運転ということで、とくにFun to Driveの部分では会場からの反響が大きかった。 これら4つのビジョンを示した後に、博士は自動運転へのアプローチを語る。それが、現在の自動運転でも語られる「Chauffer(運転手)/Series Autonomy」と「Guardian Angel(守護天使)/Parallel Autonomy」という概念。ショーファーはクルマ業界であれば常識的な概念であるが、当時の自動運転(主にロボット業界)ではなじみのない概念であったため、謎な記事が多く出ていたのを覚えている。一方、ガーディアンエンジェルもピュアな概念が入っているためか、その後トヨタ自身もガーディアンとして規定し直しているものの、博士の講演以降、自動運転はショーファーとガーディアンという言葉で整理され、語られることが多くなった。
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