いわせ・めぐみ/グルメ・旅行・風俗・芸能人・文化人・政治家・企業人などの取材記事から、携帯小説・お仕事小説・企業取材本まで、文章であれば硬軟問わずになんでも書く雑食ライター。ビジネス系出版社で編集者としての勤務経験アリ。多くの企業を取材するうちにビジネスの現場で起こるさまざまなドラマの面白さに惹きつけられ、以降はビジネス系のライティングを中心に活動中。先日、回転ずしチェーン「スシロー」が、しょうゆ差しをなめる迷惑動画をめぐって、客の少年に対し約6700万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴した。また2月に投稿された「くら寿司」での迷惑動画をめぐっては、少年少女を含む計3人が愛知県警に逮捕されている。回転寿司チェーンに限った話ではないが、こうした「飲食店テロ」の代償は非常に高い。逮捕、賠償金、さらには顔写真や実名がデジタルタトゥーとしていつまでも残ってしまう。それなのに、リスキーな迷惑動画の投稿は、なぜなくならないのだろうか?その理由は大きく3つある。(アステル...
アルバイト店員が職場で迷惑行為を行って写真や動画を投稿する行為は、「バイトテロ」と呼ばれる。コンビニの従業員が店のアイスクリーム用の冷凍庫に入り込んで商品の上に寝そべった写真をFacebookに投稿するなど、2013年にはバイトテロが頻発して世間やマスコミを大いに騒がせた。 今回、回転寿司チェーンで起きた騒動では、「くら寿司 名古屋栄店」で行った迷惑行為を撮影して動画をSNSに投稿した男女3人が逮捕されたことや、先に同様の被害に遭った「スシロー」が刑事・民事の両面からの厳正な対処を表明したことなども世間の注目を集めた。例えば、バイトテロを行った当事者たちは身元を特定されて個人情報をさらされたり、学校を退学になったり、バイト先を解雇されたり、損害賠償請求をされたりしている。また、2016年にはコンビニのおでんを指でつつく動画をSNSに投稿した20代の男が、威力業務妨害などの容疑で逮捕された。逮捕を受けて、テレビニュースで男性の実名が報じられ、モザイクなしの顔写真や動画が流されたことを覚えている方も多いだろう。
このように、迷惑行為が炎上した際の代償は安くない。なにより、一度インターネット上で公開・拡散された画像や動画は、さらされた個人情報とセットになってネットに残り続け、一生消えないデジタルタトゥーになってしまうのだ。それなのになぜ、こうした迷惑写真・動画による「飲食店テロ」はなくならないのだろうか?
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