秋の味覚、サンマの漁獲が2022年も低調となりそうだ。水産庁が29日発表した長期漁海況予報によると、8~12月に日本近海に寄りつく量は21年を上回るが、依然として低水準にとどまる。主な水揚げ地の三陸沖で漁場が形成されるのは10月下旬と平年より1カ月ほど遅れる見通しだ。予報によると、日本近海の魚群の量は21年を上回るが、サンマを運ぶ親潮が海洋環境の変化で日本沿岸を通りにくい。通常は三陸沖まで南下し、漁場が近海に形成されるが、今年は公海や排他的経済水域を中心に形成される見通しだ。
ウクライナ危機で日ロ間の緊張が高まっている。漁獲を伴わない漁船通過は国際法で認められているが、漁業者の間にはロシア海域に近づくことへの懸念が広がっている。豊洲市場(東京・江東)の水産卸は「ロシア海域を通らないと、公海に向かう時に遠回りとなる」と説明する。21年まで3年連続で水揚げが過去最低だったため、冷凍サンマ在庫が減っている。農林水産省によると5月末の在庫量は前年同月比で36%少ない。水産卸は「水揚げが最盛期を迎えても、産地の冷凍業者が在庫を蓄えるまでは高値で推移する傾向がある」と説明する。
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