人気バンド「サザンオールスターズ」が１０年ぶりに神奈川・茅ケ崎で開催するライブが２７日、始まる。茅ケ崎はボーカルの桑田佳祐さんの出身地。地元の「サザン通り商店街」にある「茅ケ崎サザン神社」にはライブを心待ちにしてきたファンが続々と訪れ、商店街の人たちも独自に記念グッズを作るなど盛り上がりをみせている。弟が桑田さんの同級生で自身も同じ中学の野球部出身という間柄。現在も桑田さんと親交があり、平成２０年には桑田さん公認の「茅ケ崎サザン神社」を設置した。桑田さんが中学の頃から好きだったというボウリングやギターなど４種類のイラストが入ったお手製の御朱印を用意し、「もう何万枚も書いたよ」。
神社に来た人がライブに向けてメッセージを書く紙には「楽しみです！」「５０周年５５周年も期待」などと思いがつづられていた。栃木県から電車で約２時間半ほどかけてやってきたという戸田輝美さん（５５）と智都（ちさと）さん（２２）の親子は、それぞれ「４５周年のライブが無事に終わることを祈っています」「ＢＩＧＬＯＶＥ」と書き残した。茅ケ崎で初のライブが行われた１２年、小林さんは記念に「茶山（さざん）」というお茶を発売。このころ、店を訪れたファンから、桑田さんがファンレターへの返信として「茅ケ崎で小林園という同級生の兄がお茶を売っている店があるからよろしく」という内容のメッセージを送っていたことを教えてもらった。サザンのデビューと同じ年にオープンした「エトアール洋菓子店」の店主、古屋宣仁さん（６０）はデビュー以来の大ファンで、茅ケ崎でのライブ開催の発表に「待ちに待っていたのでうれしかった」と泣いて喜んだという。フルーツのゼリーの商品名を一番好きな曲だという「いとしのエリー」にかけて「いとしのジェリー」にするなど、サザンの名曲にちなんだ商品が数多く並ぶ。店内で流す曲はサザンのみで、桑田さんからの手紙も
衣料品店「ライオン堂」では４５周年に合わせて商品としてオリジナル記念タオルを２００枚ほど用意した。店主の三橋節子さん（７３）は「３５周年のときもタオルを作り、その後もそれを持ってきてくれる人もいる。何かお土産になればと作った」。 ＪＲ東日本はライブが開催される４日間限定で、東京－茅ケ崎で臨時特急「えぼし」を運行。会場周辺では車両交通規制も予定され、一部の時間帯で茅ケ崎駅から茅ケ崎公園野球場までの道などで車両の通行止めが実施される。 浜銀総合研究所（横浜市西区）の遠藤裕基上席主任研究員は経済効果について茅ケ崎だけでなく、宿泊施設や飲食店などを中心に近隣地域にも恩恵があるとし、「コロナ明けでの経済の正常化に向けて起爆剤になる」と期待する。（梶原龍）
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