コロンブスの航海がそれまでの世界観を覆した本当の理由とは?

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コロンブスの航海がそれまでの世界観を覆した本当の理由とは?(2017)

の影響があります。天球論は「地球は丸い」という内容ではなく、「宇宙は丸い」という内容を示したもので、「宇宙は地球を中心としていて、最も外側には恒星天がある」というアリストテレスの天体論の考えを受け継ぐものでした。もちろん、この説の中では地球が球体であることも明確に論証されていました。

アリストテレスの物理学の中では、宇宙は地上の物質を構成する4元素と天上界に存在する第5元素という5つの要素で構成されると考えられていました。それぞれの元素は密度順に並んでおり、最も密度の高い土が宇宙の中心にあり、その次に水、水の上に空気、空気の上に火があり、火は月の軌道まで上るという形です。第5元素である は火よりも軽く、天界を満たしている物質として考えられていました。この説の中で5つの元素の重さは等しく、それゆえに宇宙は地球よりもずっと大きいと考えられていました。密度の高い地球に比べ、空気や火、それよりもずっと軽いエーテルは体積が大きくなるはずだからです。月が地球からずっと離れた場所にあるのも、「地球と同量の空気や火は膨大なサイズになるから」という理論で説明づけられていました。このとき、地球上には陸地である「土」と海である「水」が存在するわけですが、水は土よりも密度が小さいので、そのぶん体積が大きくなります。当時考えられていた水の重さについては諸説ありますが、例えば水が土の5分の1の重さしかないとしたら、地球には世界中にある土の5倍の体積の水が存在するわけです。それゆえに、サクロボスコが描いた宇宙の図では、小さな地球と、地球を覆う巨大な水の塊が描かれています。

しかし、サクロボスコが描く地球の図が正しいとしたら、地球の表面は水に沈んでしまうはず。にも関わらず、どうして人が生活できるような乾いた陸地が存在するのでしょうか。この問いに対し、修道士であったサクロボスコは「神が世界を作った時、球体である地球の一部を水の上に置いた」と答えを出します。これこそが、当時の知識人たちが信じていたヨーロッパやアジア、アフリカ大陸のあり方なのです。旧世界の大陸以外に乾いた大地は存在せず、もしポルトガルのリスボンから出発して西に船を進めれば、次第に地球の表面は水の中に深くに沈んでいき、航路の半分を過ぎたあたりからまた水面と地球地表の距離が近くなってくると考えられていました。

上記のような世界観から、コロンブスの時代の知識人は「スペインと日本の間にアメリカのような大陸は存在しない」と考え、コロンブスの計画を無謀だと指摘したのです。コロンブスの航海をきっかけにアメリカ大陸の存在が明らかになりましたが、この発見は単純に「新大陸があった」ということにとどまらず、これまで知識人が信じていたアリストテレスやプラトンの物理学や宇宙論を覆したという点が世界に大きな影響を及ぼしたわけです。

 

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大探検家だと思っていたけど、大虐殺者だったのを知ったときはショックだった。

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