幸運をもたらす“ホーム”埼スタが使えない!?...
アジア最終予選は、残り6試合。ホームでは、3試合。来年1月27日中国戦、同2月1日サウジアラビア戦、同3月29日ベトナム戦を控える。現段階で会場は未定。その中で、2月のサウジ戦は、最も重要な一戦となる。敵地での敗戦からリベンジする機会に、ぜひとも幸運の埼スタは使いたいところ。JFA田嶋会長も「埼スタでやりたい気持ちが選手も監督も私も一番強い」と熱望した。だが…。同スタジアムでは、芝生の張り替え作業を予定している。田嶋会長は「何とか出来ないか、お願いしたいが」と、ばつが悪そうに笑った。 埼玉県・公園スタジアム課に問い合わせた。担当者によると「サッカーのオフシーズンに工事を始めるという流れ」で12月に着工。期間は来年3月。その後は1カ月間、芝生の養生期間に充てる。そのため、再開時期は早くて来年5月からとなる。同スタジアムでは建設以来、初となる芝生の張り替え作業。昨年4月ごろから宮城で芝を育成し始め、埼玉スタジアムに移すという。
勝負の最終予選と、歴史的な張り替え作業は時期が丸被り。コロナの影響でアジア最終予選が1年遅れ、本来なら国際Aマッチが行われない1、2月にも試合が組まれたことにより、今回のケースは起きた。同担当者は「田嶋さんの話はネットで見ました。少し困惑していると言いますか…」と正直に言い、笑った。「協会からはまだ要請などの話は来ていません」と続けた。「もちろんありがたい話です。話し合いなどの場があれば、もちろん話はします」。あくまで、前向きな姿勢を示した。 仮に使用できないとなれば、過去には国立、日産スタジアム、パナスタなどでW杯予選は行われてきたが、やはり「埼スタの北側」の奇跡を見たいもの。次はどんな劇的ゴールが生まれるのか。今後はJFAと埼玉県などの話し合いによるが、日本のW杯切符獲得のためにも、埼玉スタジアムでの一戦を期待したい。【栗田尚樹】◆05年2月9日 最終予選北朝鮮戦(2-1)のロスタイム、途中出場のFW大黒将志が縦パスを反転しながら左足で決勝点。◆13年6月4日 最終予選オーストラリア戦(1-1)で、ロスタイムに入った後半45分にMF本田圭佑が同点PKを決め、世界最速でのW杯出場を決める。◆21年10月12日 最終予選のオーストラリア戦(2-1)で後半41分、途中出場のMF浅野拓磨のシュートがオウンゴールを誘い、これが決勝点。
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