そうしたケースは「ロングホーラー(長期患者)」と呼ばれている。過去数カ月間の多くの研究で、症状が2週間では消えない患者が3人に1人程度いることが分かっている。
多くの長期患者の場合には、発症直後に経験した症状が続く。ブレインフォグ(脳の霧)と呼ばれる意識障害、疲労感、呼吸困難、頭痛、運動困難、鬱、睡眠障害、味覚や嗅覚の喪失などだ。これまで私が診た範囲では、症状は発症初期よりも軽いようだ。入院にまで至った患者は、症状が長期にわたって続く可能性が最も高い。昨年7月に発表されたイタリアの研究では、元入院患者143人を調べたところ、退院から60日たっても症状が残っていた人が87%いた。半年後にも呼吸の問題を訴えている患者の肺をCTスキャンで調べたところ、多くの人にいわゆる「すりガラス状陰影」が見つかった。新型コロナが引き起こしたウイルス性肺炎の炎症を示している可能性が高い。ドイツの患者100人を対象とした別の研究では、感染から2~3カ月後にも心臓の炎症を起こしていた患者が60%に及んでいた。患者は比較的若く健康で、平均年齢は49歳。多くは入院の必要がなかった。高齢者や基礎疾患のある人たちだけでなく、もともと健康だった18~34歳の患者の20%でも症状が続いていた。発症前はほぼ毎日マウンテンバイクで山を走り回っていた私の患者の場合、再び同じように活動す
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