コラム:交錯する金融不安と米インフレ懸念、ドル安・円高の持続性に疑...

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[28日 ロイター] - 米銀の経営破綻を契機とする一連の金融不安の台頭を受け、為替市場ではドル安・円高に傾くとの見方が強い。実際、ドル/円は3月高値のドル137.99円から8円を超える下げ幅を記録し、一時130円を割り込んだ。ただ、ドルを取り巻く環境と円を含む他通貨の動向も踏まえると、この流れが定着するとは考えにくい。以下では向こう1─2カ月のドル/円相場を展望しておく。

3月28日、米銀の経営破綻を契機とする一連の金融不安の台頭を受け、為替市場ではドル安・円高に傾くとの見方が強い。写真は日本円と米ドルの紙幣。2022年9月撮影(2023年 ロイター/Florence Lo)25bpの利上げを決めた後、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、信用環境のタイト化が金融引締め効果を発揮する可能性に言及した。利上げペースの加速や利上げ幅の拡大を強く示唆した3月上旬の議会証言からは一転しており、今後、利上げには慎重な姿勢で臨みそうだ。しかし、累計475bpに及ぶ利上げと6000億ドルを上回る量的引き締めにもかかわらず、根強いインフレが続いてきた点も無視できない。

米連邦公開市場委員会(FOMC)で示された政策金利見通し(Median=中央値)をみても、2023年末こそ昨年12月に示された5.1%で同じだが、2024年末については4.1%から4.3%へと若干だが引き上げられた。会見でパウエル議長も利下げの議論がなされなかったことに言及した通り、FOMC参加者らはインフレへの警戒を解いていない。 実際、ECBは次回の利上げに関するガイダンスの呈示を見送り、ラガルド総裁も今後の政策についてデータ次第である点を強調した。ユーロドル相場も1.09台に乗せたところでは失速し、ドルの持ち直しを間接的に支えている。その翌日には、カナダ中央銀行が政策金利の据え置きを決定した。この結果、豪ドル、加ドルともに月初よりも対米ドルで下落している。金融不安の起点は米国だが、それがそのままドル安に直結していくわけではないだろう。こうした中で、円は3月に対ドルで4%以上も上昇しており、主要通貨の中では最もアウトパフォームしている。しかし、ロシアがウクライナに侵攻した昨年2月以降の対ドル変化率を比べると、円は主要通貨の中でノルウェークローネに次いで弱く、いまだに約12%も値下がりしたままだ。

ここからさらに金融不安が深刻化し、日本の対外金利差が顕著に縮小する場合を除けば、さらなる円高機運は高まりにくい。また、円高を見越して円ロングポジションを構築しても、金利では逆ザヤとなる。このため、短期的かつ値幅を伴う円高ビューを描けない限り、円ロングの維持は難しい。以上を踏まえ、今後1─2カ月のドル/円相場を展望しておこう。まず、金融不安がしばらくくすぶるとみられ、米ドル金利の先高観は醸成されにくい。ドルの上値は重いとみられ、何らかの経済指標などを受けてドル/円が上昇する場合も、直近高値の137.99円を上抜けするのは容易ではないだろう。

 

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