は金を探す側で、状況は思わしくない。２５日に今年のＡＩ関連事業計画に最大４００億ドルを投じると表明すると、時価総額は一気に１３００億ドル目減りした。もっと魅力的なコンテンツを生成し、顧客との取引に役立つ自動化ツールを導入すれば追い風になるかも知れない。しかしそうしたサービスが収益性のある一定規模に達するには何年もかかる。創業者マーク・ザッカーバーグ氏が夢見た、より的を絞った動画の提供や、ＡＩ搭載サングラスなどが大きな利益につながる保証もない。は、ＡＩの恩恵を享受している様子がより明白だ。今年の売上高伸び率は８０％を超える見通しで、各企業が競ってエヌビディアの半導体を使ってより大きなＡＩシステムの学習に取り組み、より多くのデータセンター建設に乗り出す中で、同社は売上高と利益を拡大させている。同社事業に即時の必要性やある程度の確実性、そして将来性も備わっている以上、ＬＳＥＧのデータで向こう１２カ月の予想ＥＢＩＴＤＡ（利払い・税・償却前利益）に基づく株価収益率が２５倍と、メタの約２倍に膨らんでいることに驚きはない。
マイクロソフトとアルファベットは、メタとエヌビディアの中間的な場所に位置する。マイクロソフトはメタと同様、不確かな未来に賭けている面がある。例えば顧客が最終的に業務用ソフトウエア「オフィス」をアップグレードするというように。アナリストによると、今年の設備投資額は４００億ドル超と３年前の２倍になるはずである半面、売上高の伸びはメタの半分ほどのペースだ。ただマイクロソフトは、クラウドサービス「アジュール」という金を掘る道具の売り手でもあるという点が違っている。アジュールは、オープンＡＩなどがＡＩシステムの学習や運用に利用しており、第１・四半期の売上高は３１％も増加した。アジュールを含むインテリジェント・クラウド部門は今や、マイクロソフトにとって最大かつ最速の成長事業だ。
同じくアルファベットのクラウド部門も第１・四半期は２８％の増収を記録し、営業利益は前年比で５倍近くに上った。同社は初の配当実施を打ち出したおかげもあり、時間外取引で株価が約１３％上昇。マイクロソフト株も決算発表後に買われ、予想ＥＢＩＴＤＡに基づく株価収益率はメタを７０％ほど上回っている。 本当の大もうけにつながる「金鉱」を誰が掘り当てるかはまだ分からない。しかしそれまで投資家は、当たるか当たらないかはっきりしない事業に資金をつぎ込むよりも、道具を売って着実に稼げる企業を積極的に評価することになる。
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