コオロギに熱い視線 環境配慮の次世代たんぱく源 昆虫食、1000億円市場へ【けいざい百景】 :時事ドットコム

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コオロギに熱い視線 環境配慮の次世代たんぱく源 昆虫食、1000億円市場へ【けいざい百景】 :時事ドットコム
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◆コオロギに熱い視線 環境配慮の次世代たんぱく源 昆虫食、1000億円市場へ【けいざい百景】 記事は⇒ 次世代のたんぱく源として、コオロギに注目が集まっています。3年後には昆虫食の市場規模が世界で約1000億円に達するとの試算も。商品の多様化も進んでいます。

コオロギを生産し、チョコや豆菓子などの食品に加工して販売するエコロギー(東京)の葦苅晟矢代表は2015年、コオロギの飼育を始めた。大学在学中に世界的なたんぱく質不足の問題を知り、自宅の押し入れでコオロギの生産に挑戦。食べ残しや農家から出た規格外野菜を餌に飼育を始めると、半年で1000匹まで増加した。生産の手軽さにたんぱく源としての可能性を感じ、大学院でコオロギの研究をしながら17年に創業。高温で乾燥した地域がコオロギの飼育に適しており、19年には生産が一年中可能なカンボジアに移住し、大量生産を開始した。

エコロギーは現地の農家を指導し生産を委託。コオロギを買い取り、工場で製品化して、日本で販売している。生産委託先は小規模な田んぼや畑を営む零細農家が大半。農作物の収穫は年に2回程度と少ない上、干ばつや洪水など災害リスクにさらされ、安定的な収入確保が難しい。一方、コオロギは軒先で簡単に飼育でき、成長して出荷するまで45日程度で年に8回の生産が可能だ。エコロギーは全量を現金で買い取るため、「コオロギ生産は安定した現金収入を得られる副業として、現地農家に歓迎されている」(葦苅氏)という。現在約60軒の農家と契約しており、26年までに2400軒まで拡大させる方針だ。 コオロギは雑食性が強く、餌にフードロスを利用できる。エコロギーは農業の生産、加工過程で出た残渣(ざんさ)や、カンボジアの食品工場から出るフードロスを回収・加工して餌にしている。葦苅氏は「アジアのフードロス問題を解消しつつ、自然と健康に配慮したおいしい食品として、コオロギを日常的な食の選択肢の一つにしていきたい」と意気込む。

日本で昆虫食人気の火付け役となったのが、20年に良品計画の「無印良品」が発売した「コオロギせんべい」だ。塩味が利いたエビせんべいのような味わいで、ネット通販や店頭で売り切れが続出した。使われているのはグリラス(徳島県鳴門市)が販売する「コオロギパウダー」。徳島大学発のベンチャーで、30年超の研究を基に食用コオロギの生産、加工から商品開発、販売までを担う。19年創業の同社は、コオロギ成分を使用したプロテインバーやカレーも販売するほか、飛行機の機内食や学校給食の選択式メニューとしてコオロギ食品を体験する機会を提供し普及を試みる。生産効率化にも取り組み、採卵から粉末化までを自動化するシステムの開発を目指す。1月にはNTT東日本が、グリラスと情報通信技術(ICT)を活用したコオロギ飼育の自動化に関する実証実験の開始を発表するなど、「企業からの協業の問い合わせが増えている」(グリラス広報)という。国連食糧農業機関(FAO)は、13年に世界の食料危機と昆虫食に関する報告書を発表。コオロギは、牛や豚などの家畜と比べ少ない水と飼料で育ち、栄養価が高く、温室効果ガス排出量が少ないことが示され、コオロギ食

欧州では21年からゴミムシダマシの幼虫「ミールワーム」を使用した食品に対し、安全性を評価して販売を承認するなど、昆虫食を販売しやすい環境が整備されつつある。⽇本では、各事業者が⾷品衛⽣基準を満たすなど、品質管理を行うほか、アレルギー成分の表⽰を通じた安全性確保にも取り組んでいる。吉田氏は「事業展開が早かった欧米や、所得向上策として国全体でコオロギ養殖を後押ししているタイと比較すると日本は遅れているものの、市場は拡大傾向にある」と指摘する。(2023年2月22日掲載)

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