維持と対中貿易拡大の両立を唱えるベルナルド・アレバロ元外務次官(64)が、親台湾派のサンドラ・トレス元大統領夫人(67)を退け、当選を確実にした。来年1月14日のアレバロ氏の大統領就任に向け、グアテマラと台湾の関係に変化が起きる可能性もある。
グアテマラの最高選挙管理委員会(TSE)によると、開票率94%の段階でアレバロ氏の得票率は59%でトレス氏は36%。ロイター通信はアレバロ氏の「地滑り的な勝利」と伝え、ジャマテイ大統領は米短文投稿サイトX(旧ツイッター)でアレバロ氏を祝福し、正式な結果発表後に政権移行を開始するよう要請した。 アレバロ氏は故フアン・ホセ・アレバロ元大統領の子息。オランダ・ユトレヒト大で社会学と社会人類学の博士号を取得し、外務次官や駐スペイン大使などを歴任した。今回の大統領選では6月の第1回投票で反汚職を訴えて既存政党を批判し泡沫候補から躍進、本選でも勢いを持続した。グアテマラは台湾が外交関係を持つ13カ国の一つ。台湾との関係に関するアレバロ氏の発言は変遷しており予断を許さない。5月の記者会見で「台湾との関係維持」と「中国との国交樹立」の両方の可能性があると述べた一方、7月の米シンクタンクのオンライン会合では「台湾との関係維持と中国との貿易拡大は完全に両立できる」と語った。
アレバロ氏は「グアテマラ最大の貿易相手であり、グアテマラへの最大の投資国でもある米国との関係強化」も望んでいる。中国との関係強化に言及する背景には、米国や台湾からグアテマラの開発計画への協力を引き出す狙いがありそうだ。米台から十分な支援を引き出せなかった場合、再び対中傾斜を強める可能性は否定できない。
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