教会を破壊し、聖書を燃やし、牧師を殺害する。果てはその指を切り落とし、結婚指輪を奪う。2月のクーデター以降、混迷を深めるミャンマーでは、反体制派への協力を防ぐため、軍が無関係の市民に恐怖を植え付ける戦術をエスカレートさせている。ミャンマー軍政は10月18日、抗議デモ参加者ら5000人以上の政治犯を釈放すると発表した。これは同日、東南アジア諸国連合(ASEAN)が来週からの首脳会合にミャンマーを招待しないと決定したことを受けてのものだった。実際、ミャンマー軍は2023年8月まで権力を握り続けると発表しており、軍政を長期化させる構えをみせている。また、「汚職」などの容疑によるスー・チーの裁判も続いている。ミャンマー北西部では2月のクーデター以降、キリスト教会が相次いで兵士に攻撃されてきた。9月には、チン州サントランの教会で兵士が火をかけ、牧師を銃殺したうえ、その指を切り落として結婚指輪を盗んだと報じられている。
ミャンマーでは2月から8月までに1000人以上が兵士に殺害されたといわれる。また、人道的な危機は7万6000人ともいわれる避難民を生んでいる。そこにはキリスト教会関係者も数多く含まれるとみられるのである。ミャンマー人口の90%以上は仏教徒で、キリスト教徒は6%にすぎない。なぜ、キリスト教会が襲撃されるのか。ミャンマー軍政は1980年代から少数民族を迫害し、その居住地域にビルマ人を移住させる「ビルマ化政策」を推し進めてきた。これを煽ってきたのは「ミャンマーは仏教徒の国」と叫ぶ仏教ナショナリストで、なかには異教徒へのヘイトスピーチを繰り返す「仏教のビン・ラディン」と呼ばれる過激派さえいる。
日本 最新ニュース, 日本 見出し
Similar News:他のニュース ソースから収集した、これに似たニュース記事を読むこともできます。