カブス・今永はメジャー最強打線の重圧に決して屈しなかった。初対戦のブレーブスを相手に5回を7安打3四球ながら8奪三振で無失点。しかし98球と球数を要して降板し、「直球のクオリティーは良かったが、凄く慎重になり5回までしか投げられなかった。もう1イニング投げられるような投球がしたかった」と唇をかんだ。
地区6連覇中の強豪。今永は2回以外は全て走者を背負うも、粘りに粘った。4回2死満塁で昨季リーグMVPのアクーニャを打席に迎えた場面では、ハーフスイングの判定に抗議したクレイグ・カウンセル監督が退場処分に。「監督が熱くなってベンチを出てきてくれた。感謝します」。意気に感じた左腕は92・9マイル(約149キロ)の直球で右飛に仕留めた。昨季73盗塁だったそのアクーニャを含め2度けん制でアウトにするなど、投球以外でもセンスが光った。 両リーグトップの防御率0・96。全30球団の投手で唯一の0点台に再び突入し、「ミスターゼロ」の称号がふさわしい。大リーグ公式サイトのサラ・ラングス記者によると、デビューから8度の先発では防御率が公式記録になった1913年以降で4番目の好成績。ただ、今永に笑顔はない。「みんなはナイスピッチングと言ってくれたけど、自分としてはこれで良かったわけではないと思う」。試合は零敗を喫し、自身が登板した試合でのチームの連勝も7で止まった。
「試合に勝った上で、チームに何かプラスアルファを残さなければいけない」。02年石井一久(ドジャース)、14年田中将大(ヤンキース、現楽天)に並ぶ日本投手最長の開幕6連勝はまたも持ち越し。何より今永は、チームの勝利を欲している。
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