「Oracle CloudWorld Tour Tokyo」キーノートで登壇した、米オラクルCEOのサフラ・キャッツ(Safra Catz)氏「日本にとって現在は、経済が本格的に動き出した重要なタイミング。そのため、トップの(最良の)テクノロジーに対する需要が高まるものと見ている。このタイミングでオラクルが、トップのパートナーとも連携しながら、日本の政府や日本の産業が必要とするケイパビリティを持つことが重要だ。モダンなテクノロジーを持つこと、さらにはそうしたテクノロジーを(日本の)リージョンで、主権(ソブリンティ)のあるかたちで持つことが必要だと考えている」(キャッツ氏)
オラクルでは、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)の東京リージョンを2019年に、大阪リージョンを2020年にそれぞれ開設し、OCIがラインアップするすべてのサービスを提供している。キャッツ氏は、日本のOCIビジネスからもすでに需要拡大の強い手応えを得ていること、これから展開する他国とは違って日本リージョンは「追加投資」の段階であることを説明した。キャッツ氏は、今回の投資目的は「幅広いもの」だと前置きしながらも、特に、政府専用リージョンなど通常の商用リージョンとは切り離された「隔離リージョン(Isolated Region)」、そしてデータ主権の要件を満たす「ソブリンリージョン」の必要性を強調した。
オラクルでは、すでに米国、英国、EU、オーストラリアなどでこうしたリージョンを展開しているが、日本においても同様に構築していくと述べた。機密度の高いデータを扱うこれらのリージョンを実現するうえで、セキュリティに重点を置いて投資を行う。また、日本の顧客やパートナーを支援するために、日本を拠点とする運用人員やサポートエンジニアリングチームの大幅な拡大も行うとした。 なお同日には、日本市場におけるソブリンクラウドの提供に関して、米オラクルと富士通との戦略的パートナーシップも発表されている。国内データセンターに配置した「Oracle Alloy」を活用し、富士通が運用を行うかたちで日本の顧客にサービスを行うというものだ(詳細は別記事でお伝えする)。
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