ウクライナ侵略を続けるロシアのプーチン大統領は13日、ウクライナ軍が着手した反攻作戦について「いかなる場所でも成功を収めていない」と述べた。プーチン氏は、4日に反攻が始まって以降、ウクライナ軍は露軍の10倍の人的損失を被っているほか、戦車160両も失ったと主張した。モスクワで行われた露国営メディアなどの従軍記者らとの会談で発言した。
一方、ウクライナ軍参謀本部の高官は13日、アゾフ海に面した南部ザポロジエ州の港湾都市ベルジャンスク方向にウクライナ軍が最大1キロ前進し、3平方キロメートルの領土を解放したと発表した。ウクライナ軍は現在、露軍が支配下に置いているアゾフ海沿岸の「回廊」を寸断し、露軍の補給を困難にすることで、ザポロジエ州や南部ヘルソン州の占領地域の奪還を目指しているとみられている。一方、ウクライナ東部ドニエプロペトロフスク州クリブイリフの集合住宅などに13日に露軍のミサイルが着弾した問題で、ウクライナのゼレンスキー大統領は同日、子供1人を含む11人が死亡し、30人以上が負傷したと発表。「テロだ」としてロシアを非難した。
プーチン氏は従軍記者らとの会談で、ヘルソン州のカホフカ水力発電所のダム決壊について、「ダムに砲撃を繰り返してきたウクライナ側に責任がある」と一方的に主張。黒海経由でウクライナ産穀物を輸出する合意に関しても、ロシアの利益になっていないとし、「離脱を検討している」と述べた。合意は7月に次回の延長期限を迎える。
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