4月13~14日に行われたイランの大規模攻撃で、イスラエル側は大半の弾道・巡航ミサイルや無人機(ドローン)を迎撃し、「前例のない防空戦」(英紙フィナンシャル・タイムズ、FT)を制した。イスラエル軍の防空システムに加え、米国などの支援を受けた国際的な「迎撃網」が真価を発揮したためだ。イスラエル軍によるとイランは300超の無人機やミサイルを発射したが、「99%」の迎撃に成功。一部は南部の空軍基地に着弾したが、被害は最小限にとどまった。迎撃には米英仏と隣国ヨルダンも協力した。
イラン・イスラエル間の距離は最短約1千キロ。飛来までに数時間の猶予があった。FTによると、ミサイルなどの発射を米中央軍の部隊が探知し、米英などの戦闘機が迎撃。米軍は80超の無人機を撃墜した。イスラエルの防空システムも無人機の衛星利用測位システム(GPS)を妨害し、残りの攻撃を退けた。イランの攻撃に備え、米軍は約1週間前からイスラエル周辺に航空機やミサイル防衛駆逐艦を配備。地域に展開する英仏両軍と連携し、アラブ諸国からも情報を集めるなど精度の高い分析結果をイスラエル側に提供していた。イスラエル軍のハガリ報道官は「戦史の中でも比類なき防空戦の一つだ」と成果を誇った。
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