近年、家具デザイナーの活動のスタイルはさまざまだ。中でも目立つのは、デザインを専門とするギャラリーからエディション作品を積極的に発表するタイプ。1971年オランダ生まれのアルド・バッカーは、そんなデザイナーを代表する一人であり、個展などを通してすぐれた作品を発表してきた。 デザインにおけるエディション作品はアートがそうであるように、販売される点数が限定され、量産品に比べて高額になる。買い求める層が限られる代わりに、素材や技術の自由度は高い。また表現性も、その核になるコンセプトも、通常のような制約が取り払われる。バッカーのスキルは、こうしたシ ーンの中で磨かれてきたものだ。それは彼がしばしば手がけるプロダクトにも発揮される。...
ト、たとえばアレクサンダー・カルダーやイサム・ノグチらの作風を連想させる造形感覚がある。 さらにユニークなのは、この構 造が1枚の鉄板を折り曲げてつくられていることだ。ディテールに 目を凝らすと、それぞれの平面と曲面、直線と曲線に、機能と結びついた意味があるのがわかる。鉄板をまるでテキスタイルのように扱う発想や、それを実現する製造技術も、通常の家具の域を超えているのは明らかだ。 深みのあるダスティーグリーンの色合いもまた、どこかテキスタイルを思わせる。これは、明るい空間ではグリーンが映え、薄暗くなるとともにグレーを帯びるミステリアスなカラーリング。バッカーの美意識は、デザインのすべてに発揮されている。 あらためて言うまでもなく、現在はたくさんのものに囲まれることが豊かさではない。彼のようなスタンスのデザイナーが生み出す家具には、こうした時代にふさわしい価値が宿っている。 土田貴宏 デザインジャーナリスト、ライター。2001年よりフリーランスとして活動をスタートする。近著に『デザイ ンの現在』(PRINT & BUILD)。 写真・アカタヒデユキ...
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