茨城県内で特定外来生物のアライグマによる被害が目立っている。近年は農作物の被害が深刻化しており、7月には旧水戸藩校「弘道館」(水戸市)敷地内の国指定重要文化財「正庁」の柱に爪痕のような傷が見つかる事態も起きた。茨城県はアライグマに特化した住民向けの農作物被害防止マニュアルを作成するなど、対策を進めている。(大我寛樹)弘道館でアライグマの出没が確認されたのは7月4日。事務所が設置した暗視カメラに、正庁の支柱を駆けおりる様子が映っていた。柱上部には、ひっかき傷やえぐられたような跡があった。傷は幸い自然に黒ずんで目立たなくなる程度だった。
今年3月頃に天井から落ちたとみられるほこりが発見され、6月には職員が天井裏で動物の足音を聞いた。水戸市が7月6日に箱わなを設置し、同15日に成獣とみられる1匹を捕獲した。わなの設置は今月5日まで続けたが、他に異常はなかった。茨城県環境政策課によると、2022年度は3418匹が捕獲され、10年前の約40倍に急増した。かつては利根川や霞ヶ浦に近い県西・県南地域を中心に生息していたが、現在は水戸市を含む茨城県内全域で確認されている。「天敵がおらず繁殖力も高い。推定個体数も把握できず、駆除が追いつかない」と担当者は頭を抱える。被害額は6倍増 茨城県農村計画課によると、アライグマによる農作物の被害は21年度に13市町村で確認され、4年前より約6倍増の1060万円に上った。スイカやブドウ、トウモロコシなど、甘みがあり、栄養価の高い野菜や果物が狙われるという。
同課では今年3月、アライグマから農作物を守るため、住民向けの被害防止マニュアルを作成し、県のホームページで公表した。マニュアルでは、甘みのある作物や身を隠す茂みなどを好むと紹介し、「収穫しない果樹などはとる」「農地周辺のやぶは刈り払う」などと注意喚起。「ハウスへの侵入を防ぐため電気柵で囲う」など、侵入防止の方法などをイラスト付きで紹介している。 アライグマの生態に詳しい農研機構の中村大輔主任研究員は「空き家にすみ着くケースも多く、自治体が積極的にわなを設置できない場合もある。海外ではアライグマ由来の感染症も広がっており、捕獲スピードを速める必要がある」と警鐘を鳴らしている。
日本 最新ニュース, 日本 見出し
Similar News:他のニュース ソースから収集した、これに似たニュース記事を読むこともできます。
ソース: PRTIMES_LIFE - 🏆 39. / 63 続きを読む »
ソース: shunkannews - 🏆 17. / 63 続きを読む »
ソース: shunkannews - 🏆 17. / 63 続きを読む »
ソース: shunkannews - 🏆 17. / 63 続きを読む »
ソース: shunkannews - 🏆 17. / 63 続きを読む »
ソース: shunkannews - 🏆 17. / 63 続きを読む »