札幌在住の藤木淳・寛子夫妻によるアートユニット、フジ森による作品。これは、手前の花が、くしの歯状という点に秘密がある。ここに縦じま模様の映像を左右に動かしながら当てて、影に変化をつける「スリットアニメーション」になっているのだ。花のくしの歯に遮られ、しま模様が見え隠れすることで動いているような錯視を生み出すよう、綿密に設計されている。
道立近代美術館の野田佳奈子学芸員は「企画展の中で、メディアアート的なものも入れたいと思い、作家にお願いしました」と話す。フジ森によれば「花びんの外に出られない花が、かごから出られない鳥の羽ばたくさまを夢見ている」という情景とのことで、そんな切ない物語が背景にある。（渡部淳）＝おわり＝
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