パックご飯も、炊飯器も、売る。それがアイリスオーヤマだ。仙台市に本拠を置き、収納ケースからマスク、水、LED電球、テレビ、洗濯機まで、生活雑貨や家電を独自に企画開発し、手頃な価格で売ることを得意とする総合メーカーである。
グループ企業は国内だけで14社。海外にも16社を持ち、「世界の工場」中国に複数の生産拠点を構えるだけでなく、ヨーロッパやアメリカ、東南アジアでも事業展開。国内同様に、現地で消費者目線(同社は「ユーザーイン発想」と呼ぶ)の商品づくりを行ってきた。グループ総売上高は7900億円(2023年1月)に及ぶ。 当然、グローバル企業として、いま世界の潮流であるSDGsとも無縁ではない。東日本大震災の被災地で農業の復興支援に携わるほか、照明の省エネルギー化や建築内装事業を通じたCO2削減を目指した商品開発・事業展開なども行ってきた。 4月にはCO2排出量のさらなる削減のため、国内9工場に太陽光パネルを設置することを発表した。同社は近年、国内製造強化のための設備投資を積極的に行っており、その一環として約25億円を投入する。総面積約7万3000平方メートルの太陽光パネルを、2024年2月までに順次設置していく計画だ。太陽光発電が導入されるのは、宮城県の角田工場、大河原工場、福島県の南相馬工場、茨城県のつくば工場、埼玉県の埼玉工場、静岡県の富士小山工場などで、アイリスオーヤマの国内10工場のほぼ全てとなる。「CO2排出削減量は年間約6800トンを見込んでおり、カーボンニュートラルの推進に貢献します」と同社。昨今の電気代高騰への対策ともなり、一挙両得の脱炭素経営とも言えそうだ。
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