私の中に「スタッドレスタイヤの理想像」というのがある。それは「モンテカルロラリーで一番強いタイヤ」です。簡単に説明したい。1月の中旬にモナコとフランスのプロヴァンス地方で開催されるこのラリー、スタッドレスタイヤで経験するすべての路面が揃っている。例えばスタート地点は乾燥した舗装路。当然のごとく夏タイヤのような特性を必要とする。
標高が上がっていくにしたがって雪とウエット舗装路のミックスになる。冬の道を走るとよく出会う状況ですね。ウエット性能や、比較的水分の多い雪質を上手にカバーしなくちゃならない。さらに標高上がり気温も下がってくると、凍ったばかりのミラーバーンなどが出てくる。夕方の競技では溶けて流れた水分が凍った、黒く見える路面だ。御存知の通りいわゆる「ブラックアイス」と呼ばれる手強いミラーバーンである。本来ならスパイク付きのタイヤで走りたくなるようなコンディションといっていい。当然ながら滑りまくるため、コースアウトする車両が続出する。競技となればフルアタック。ここでの性能がタイムに大きく響く(WRCではスパイク付きタイヤも使う)。
標高が上がり、雪が降り出していると圧雪路。興味深いことに圧雪路では案外タイヤ性能の差がつかない。降ったばかりの雪や圧雪って、トレッド面の凹凸でグリップを創り出す。冬用長靴の底によくあるパターンをイメージしていただければいいだろう。一定以上の性能を持つタイヤなら、圧雪や新雪でコントロールしやすい。こういった状況でスタッドレスタイヤのテストを行うと、案外タイヤのパターンが大きな要因になったりする。タイヤテストとしちゃ楽しいし、絵柄も派手な横滑りになったりするなど映えるけれど、優れたスタッドレスタイヤかどうかの判断基準にはならない。圧雪はけっこうグリップがよく、テストコースだと180km/hのリミッターに当たることも。峠を越えると下り坂。ここからタイヤ性能の勝負になってくる!...
スキーやスノーボード、スケートなどをやったことがある人なら、雪や氷のコンディションの変わりやすさを御存知だと思う。同じゲレンデを滑っていても、リフト1本毎に雪質は変化していく。冬道でもまったく同じことが起きているのだ。繰り返しになるけれど私は「変化に富むモンテカルロラリーで一番強いスタッドレスタイヤ」を目安としてます。
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