なぜこんなことが起こるのか?というと、サルには「今」しかなく、過去や現在を持たないため。サルが求めるのは現在の気楽さ・楽しさなのです。動物の世界ではそれで問題ないのですが、人間世界となると話が異なります。
人間は食べて寝て、次の世代へバトンを渡していく必要がありますが、サルにはそのことが理解できません。理性ある決定者は、他の動物には理解できない能力を我々に与えています。それが「長期的に物事を見る」「物事の全体像を見る」という能力です。しかし、より大きな「全体像」のために、楽しくなく、困難なことを行う必要があることも。この時、人の中には葛藤が生まれます。そしてプロクラスティネーターは葛藤が生まれた時、気楽で楽しい、しかし全体像のためには意味をなさないオレンジ色の部分に逃げます。アーバンさんはこのオレンジ色の部分を「闇の遊び場」と呼んでいるとのこと。しかし、いつまでも物事を先延ばしにすることはできません。90ページの論文を先延ばしにし続けたアーバンさんも、締切の72時間前には論文に取り掛かりました。では、闇の遊び場から抜けだし、理性のある決定者がかじをとって人がやるべきことに向かう時、何が起こるのでしょうか?
ここで登場するのが「パニック・モンスター」です。パニック・モンスターは普段眠っていますが、締切が近くなったり、公衆の面前で恥をかきそうになったり、とにかく人が恐怖する事態が迫ってくると突然起き上がります。そしてパニック・モンスターにおびえたサルはどこかに逃げ去ってしまうのです。 最近ではTEDへの出演依頼がやってきた時に、パニック・モンスターが目覚めた、とアーバンさん。人に「TEDに出たんだ!」と話すことを夢に見ていたアーバンさんは6カ月前に依頼を受けて2つ返事で了承しましたが、その時、「何の依頼を受けたかわかってる?座って今から仕事を始めましょう」と語りかける理性ある決定者の声と、「君の決定には賛成!でもGoogle Earthを開いてインドの様子をズームしてみようよ。上空200フィートから近づいていけばインドという国の雰囲気がよくわかるよ!」というサルの声が同時に頭に響いていたとのこと。
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