姫路市・みゆき通りのアイドルとして市民に愛されている「ぼうしや薬局」本店の剥製（はくせい）イノシシ親子が、代替わりした。痛々しい包帯姿が意外な人気となった先代親子の後を受け継ぐ３頭が、店頭で〝にらみ〟を利かせながら来店客を出迎えている。
元禄元（１６８８）年創業の同店は、当主が山でイノシシに追われた際、見つけた薬草で作った薬が大評判を博した－との言い伝えにちなみ、イノシシをシンボルとしている。戦後のある時期から店頭に剥製イノシシを置くようになり、頭数も徐々に増えた。 姫路城が「平成の修理」を終えて再オープンした平成２７年以降、外国人観光客を中心にイノシシを触る人が激増。耳が折れたり皮がはげたりしたため、包帯を巻き「ケガしています。やさしくして下さい」と呼びかけた。これが「薬局らしい」と話題となり、さらに認知度が高まったという。 しかし傷みが進み、数年前から新調を計画。剥製業者の減少などで難航したが７日夜、無事に代替わりを果たした。松岡洋平社長は「店名は知らなくても『イノシシの店』で分かってもらえることも多い。新しく元気な３頭が、コロナ禍で沈みがちな街のにぎわいにつながれば」と期待している。
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