傾向的には、社会から孤立するのは「定職に就いていない男性」に多い印象です。「男なのに稼いでいない」という古い価値観が邪魔をして、後ろめたさがあり、親戚付き合いや友達付き合いからも孤立してしまいがちだからです。もし、定年を迎えたら、一気にやることを失って、どんどん老け込んでいくような人です。そうなると、もうボーッとして酒を飲むしかなくなります。友達がいないと趣味も広がっていきません。今の時代だと、共働きが大前提になってしまったので、結果的に「働いていない人」は「おかしい」と思われてしまうようになりました。ニートは昔より息苦しいでしょうね。親戚や友達付き合いの中で、「まあ、働いていなくてもいいじゃん」と相談し合えるような関係が築けていたら、防げていた犯罪も多いと思うのです。
僕の考えでは、「地域のおじさんやおばさん」が近くの学校の部活動を教えればいいと思っています。あるいは、また別の機会に語りますが、地域コミュニティが食事をタダで振る舞ったり、住む場所を格安で提供するような道もあると思います。 そうやって、個人の努力だけに頼らず、社会のほうからも積極的に居場所づくりを提供するほうが豊かだと思います。まずはあなたの親戚の中でちょっと心配な人から声をかけてみましょう。そこからでも社会をよくしていけると思いますよ。1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。著書に、45万部を突破したベストセラー『